Postwar Abstract Painting in France and Art Informel |
20世紀フランス絵画の挑戦 アンフォルメルとは何か? |
― モネ、セザンヌ、ピカソを超えて ― |
印象主義やエコール・ド・パリの後、フランス絵画はいったいどうなったのでしょうか? |
モネ、セザンヌ、ピカソらによって19世紀末から20世紀前半に近代絵画の黄金時代を迎えたパリでしたが、その後、両大戦間にシュルレアリスムという特異な流派は生まれたものの、以後その中心はアメリカ合衆国に移ってしまった、としばしば説明されます。では、この後、フランス絵画はどうなってしまったのでしょうか? |
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20世紀フランス絵画の挑戦 「アンフォルメルとは何か?」 |
「アンフォルメルとは何か?」 ―20世紀フランス絵画の挑戦 |
本展は、戦後フランスにおいて抽象芸術が興隆する過程を追いながら、一つの芸術運動としての 「アンフォルメルとは何か?」 を改めて検証するとともに、その成果がその後の日欧の美術の動向にいかなる影響を与えたかを探ります。 |
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【展示概要】 ―「PRESS RELEASE」 及び 「アンフォルメルとは何か?」 カタログの本文より要約して掲載しています。― |
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第二次大戦後のパリで起こった前衛的絵画運動「アンフォルメル」。フランス語で「非定形なるもの」を意味するこの言葉は、1950年に批評家ミシェル・タピエによって戦後のフランスに胎動する新たな非具象的な絵画として提唱されました。この動向を担ったのはフォートリエ、ヴォルス、デュビュッフェ、ミショー、スーラージュといった作家たち。加えて当時よりパリにいた中国のザオ・ウーキー、日本の堂本尚郎、今井俊満などもこれにかかわりました。戦後フランスにおいて、モネ、セザンヌ、ピカソを超えた新しい絵画の創造を目指した画家たちによる、約100点の作品のご紹介です。 |
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第1章 抽象への道-19世紀後半、印象派の時代から20世紀前半新しい抽象絵画の登場を準備した画家たちです。 |
第2章 「不定形」な絵画の登場-批評家ミシェル・タピエは、抽象的で表現主義的な動向を 「不定形(アンフォルメル)の芸術」 という用語をつくって理論づけた。 |
第3章 戦後フランス絵画の抽象的傾向と「アンフォルメル」-戦後の美術がアメリカにその中心としての役割が移ってしまった、と捉えがちな現況を、戦後フランス美術史を見直すキーワードと言えるだろう。 |
ジャン・フォートリエ (1898-1964) |
ジャン・デュビュッフェ (1901-1985) |
ヴォルス (1913-1951) |
アンフォルメルは、日本においては、1950年代以降、海外の美術動向がジャーナリズムを通じて様々に伝えられるなかで、1957年に、タピエやマチューが来日し、公開制作をはじめとして日本の美術批評家や作家たちと交流することにより一気に広まっていきました。石橋財団ブリヂストン美術館においては、タピエの協力により 「世界現代芸術展」 を同年秋に開催し、これは、日本へのアンフォルメルの紹介に大きく寄与しました。その後、美術界は 「アンフォルメル旋風」 がまきおこり、フランス本国以上に、戦後の抽象絵画運動として現代に至るまで知られることになりました。 |
お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
参考資料:Press Release、「アンフォルメルとは何か?」カタログ他。 |
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